嘘から始まる恋
「純ちゃんは裕也くんとデートしたの?」
「うん。映画観に行ってきたんだ」
そう言って嬉しそうな表情をした。
映画か〜。
今度、誘ってみようかな…。
そんな話をしていると廊下が騒がしくなってきた。
私の席は廊下側の窓際の一番後ろの席だから、廊下が見やすい。
「王子が登校してきたよ!」
朝から見れてラッキーと窓から廊下を覗く純ちゃんにつられ、一緒になって廊下を覗くと、友達と歩いてくる成瀬くんの姿が目に映った。
その周りには成瀬くんを見つめる女子がちらほらといた。
「成瀬くん、おはよー」
はぅ!
またしても純ちゃん話しかけてるし!
その声に反応してこっちを向いた成瀬くん…と友達。