嘘から始まる恋



「おはよう」


ニコッて笑って挨拶仕返す成瀬くんと、「朝からモテるなー」と苦笑する友達。



教室を通り過ぎるのを見送り、「挨拶しちゃった」とはしゃぐ純ちゃん。



なんとなく後ろ姿を見つめ続けていると、チラッと後ろを見た成瀬くんと目が合った。


そして誰にも気付かれないように一瞬、意地悪な笑みを浮かべ教室へと歩いて行った。



成瀬くん、今の笑みは何ですか!!


ちょっとドキッとしちゃったじゃんか。



「理子ー、どうしたの?」


「えっ、ううん!なんでもないよ」


慌てて純ちゃんの方に向き直る。



落ち着け、私!



< 160 / 275 >

この作品をシェア

pagetop