嘘から始まる恋



「理子…?」


顔を覗いてくる成瀬くん。



「ううん、なんでもないよ」


ははって笑みを浮かべ誤魔化し、再び歩きだした。


結局、そのまま成瀬くんも私も黙ったまま家に着いてしまった。



「今日はごめんね」


「…いや、無理して付き合わせて悪かった」


「ううん。…じゃあ、バイバイ」


「あぁ」


そう言って軽く手を振って来た道を戻って行った。


家に入り部屋へと直進し、部屋に入るとドアにもたれた。



今までの成瀬くんの言葉や友達の言葉が頭の中をぐるぐるしている。



「…嘘…遊び…ゲーム」


「勝ちってことだよな?」


「賭けは負けって認めるよ」


「捻挫?」


「骨折」




……意味が分かんないよ。


私、ずっと騙されてたのかな…?


成瀬くん、何を信じたらいいの?



< 211 / 275 >

この作品をシェア

pagetop