嘘から始まる恋



「…ひとつ聞いていい?成瀬くんはどうして王子を演じてるの?ゲームってどうゆうこと?」


「あー…うん。俺が入試の時にさ、瞬に冗談で王子様キャラ演じてみたら?って言ったんだよ」


黙ってたら格好いいから、面白いと思って…と悠希くんは気まずそうに話しを続ける。



「瞬も最初はやる気なかったんだけど、突然やるって言い出したんだよ。俺もよく理由は分かんねぇけど…」


「瞬にとったら理子ちゃんと関わろうとしてた手段のひとつだったのかもね」


「あいつ不器用だから、ゲームなんて言ったんじゃないかな」


「そうなのかな…」


いつも堂々としてるから分かんなかった。



「まぁ、不器用なのは理子ちゃんに関してだけ、だけどね」


そう言って困ったように二人は笑った。



今だったら私、成瀬くんに素直になれるかもしれない。



「悠希くんも雄介くんも成瀬くんが大好きなんだね」


クスッと笑うと、二人は顔を赤くし「まさか〜」と嬉しそうに否定した。



明日ちゃんと成瀬くんと話そう。


やっぱり成瀬くんが好きで、成瀬くんを信じるって伝えよう。



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