嘘から始まる恋



「だから理子が俺の存在も名前も知らないって知った時、どんだけショックだったか分かる?頑張って王子様演じてたのに、全然理子に興味を持ってもらえてなかった」


成瀬くんは私のこと、ずっと知ってたんだ…。


そして好きでいてくれたんだね。


どうしよ…嬉しい。



「賭けてたことは謝る。でも賭けなんて関係なく、俺は理子が好きだよ」


「……その言葉は嘘じゃないよね?」


その言葉、信じてもいいの?


私、もう騙されたくないよ?



「うん…。ずっと好きだった」


優しく微笑み、私の手を握った。


成瀬くんの手の温もりと、震えが伝わってくる。



成瀬くん、緊張してる…?



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