嘘から始まる恋
「嘘つかないでよ!だって成瀬くん、付き合ってる人いないって…」
「ごめんね?今は彼女出来たから」
「そんなの信じないもん!本当に付き合ってるなら、証明してよ!」
声を荒げる彼女に成瀬くんは一瞬、無言になった。
成瀬くん、どうするつもりだろう…。
私は二人のやり取りをただ、黙って見ていた。
チラッと見た成瀬くんと目があったかと思うと、ぐいっと頭を押さえられた。
「…これで信じた?」
王子様スマイルは消えていて、意地悪な笑みを浮かべる成瀬くんに、彼女は泣き出してお店を出ていってしまった。