キスして☆イケメンな彼
「そうじゃないの」
「…由香里?」
由香里が優しい顔をして、でも少し不安な顔をしていた。
「幸乃は…そう言って、私を安心させようとしてるんだよね?」
…違う。
と言えないのには理由がある。
だって、もう恋に落ちていたんだもん。
「由香里、私はでもッ…」
すごく言い訳そうな顔をしていたと思う。
だからバレてしまうの、由香里には。
「分かったよ。幸乃」
握っていた手の力が少しずつ緩くなっていったのが分かった。
でも、そのときの由香里の顔は
あまりにも冷たくて……。
「あのね、由香里…」
向きを私からそらそうとする由香里を引き止めようとした。
完全に離れてしまった手を、もう一度掴んだ。
そのとき―――――――…
「いいって!!」
振り放された、由香里の手によって。