冬恋。【完】


「いないんだ、意外~。でも、クラスの男子が言ってたけど高校生ぐらいの人と歩いてたって」

「高校生……?」


身に覚えのない感じ。

「あ、あぁ!!」


緋未ちゃんは何かを思い出したように言う。


「あれ見られてたんだ、恥ずかしい」


「やっぱり彼氏?」


そう言うと、緋未ちゃんは首をぶんぶん左右に振る。


「海にぃと買い物に行ってたんだ。きっとそれかな」


海さんか、と納得。兄妹で買い物なんてほんとに仲良いんだ。



「海さんだったら彼氏として自慢出来るけどねー」

私には東がいるけど……!!

「海にぃなんて彼氏にしたら大変だよ~、でもみずかちゃんって」


「ん?」


「東くんっていう、彼氏さんいるよね?」


……っ!? どうしてそれを!!

「なんで知ってるの?!」


「海にぃから聞いちゃった、ごめんね! あ、今日学校で話してたよね!?」


< 53 / 140 >

この作品をシェア

pagetop