冬恋。【完】
「いないんだ、意外~。でも、クラスの男子が言ってたけど高校生ぐらいの人と歩いてたって」
「高校生……?」
身に覚えのない感じ。
「あ、あぁ!!」
緋未ちゃんは何かを思い出したように言う。
「あれ見られてたんだ、恥ずかしい」
「やっぱり彼氏?」
そう言うと、緋未ちゃんは首をぶんぶん左右に振る。
「海にぃと買い物に行ってたんだ。きっとそれかな」
海さんか、と納得。兄妹で買い物なんてほんとに仲良いんだ。
「海さんだったら彼氏として自慢出来るけどねー」
私には東がいるけど……!!
「海にぃなんて彼氏にしたら大変だよ~、でもみずかちゃんって」
「ん?」
「東くんっていう、彼氏さんいるよね?」
……っ!? どうしてそれを!!
「なんで知ってるの?!」
「海にぃから聞いちゃった、ごめんね! あ、今日学校で話してたよね!?」