冬恋。【完】
「みずかちゃんて、東くんと付き合ってるんだ」
「へぇ」
周りのみんなが騒ぎ始める。
どう言い訳しようか考えていると緋未ちゃんが
「みんな知らないんだ……っけ。東くんのこと」
と悪気なく言う。
───もう言い訳は出来ない。
それから一日、みんなから質問攻めにされた。
どっちから告白したの?いつから好きだったの?
こんな感じの質問はまだいい方だ。
キスした?
まだいい方。
東くんって、セックス上手い?
……仮にも純粋な私に何を聞く。私はそんなこと興味ないし!
する気すらないし!
と、色々と突っ込みしたくなるような質問をされたり。
はぁ、明日も騒がしくなりそう。
ベットに横になりながら考える。
~♪
メール?……いや違う。電話だ。
「もしもし」
「よっ」
あ、東……?この低くて癖のある声……。
「東、どうして?」
東は携帯を持ってないからきっと家の電話から電話してきたのだろう。
というかいつもそうだし。
「どうして……ってそりゃ、お前が元気なかったから電話した」
「うん……、今日みんなにバレちゃったから……」
東、こうやってみんなに質問攻めされるの嫌いだしね……。
「だよな。まぁバレたものは仕方ない。みんなにバレたからって関係は変わらない」
その一言で、心が少し軽くなった気がした。
ありがとう……。