冬恋。
好きって、何?

今、この時間に

そういえば朝少しだけ海さんに会ったっけ……。
バイク姿の海さん、大人っぽくてかっこいいんだよね。
って浮気じゃないし!!

1.2分ぐらいしか会わなかったのに海さんよく私の体調分かったな、と。
自分自身のことなのに他人の海さんのほうが先に気づくってほんとすごい。

"よく体調悪いの気づきましたね。学校早退してきました……"

返事はすぐに届く。

件名:無題Re:3
本文:ご飯はどうした?

---END---

……作るのがめんどくさくて食べてないですなんて言えない。

"食欲なくて食べてないです"

ということにしておいた。
実際の所、食欲めちゃくちゃあってお腹がグーグーなっている。
健康の印?
いやでも、一応熱あるんだよね。

やっぱり返事は1分ぐらいでくる。

件名:無題Re:5
本文:そか。いや僕も体調悪くて早退してきたんだ。
で、ご飯これから。ゆあがお腹すいてるようなら一緒に食べようと思って。

---END---

海さんも体調悪いんだ、大丈夫かな……。
というか、これは海さんにあまえてご飯作ってもらっていいのか……。
とても迷いどころ。

海さんの作るご飯めっちゃおいしいからまた食べたいっていう気持ちが……。
いやでも、海さんも体調悪いわけだしどうしよう。

"やっぱり私、食欲ないんで大丈夫です……"

こんな時にまで海さんに甘えられないしね……。

件名:無題Re:7

本文:
分かった。少し経ったら行くわ。
本当はお腹空いてるんじゃない?違うかな?

炒飯でいいよね?

---END---

海さんどうして分かったんだ……。
てか炒飯って私が好きな食べ物ベスト3に入るんだけど……。

メールの返信をせずにおとなしくベットで寝ていると数分後、本当に海さんは家に来た。

「外寒い」
「ほんとに来たんですか海さん、まぁ上がってください」

こんなに寒い思いして、海さんは体調大丈夫なのだろうか。

「海さん体調大丈夫なんですか?」

私と海さんは今、私の部屋にいる。海さんは東みたいにベットをソファ代わりにせず、炬燵の中に足を伸ばして座っている。

「今はね。あ、これ作ってきたやつ」

と言って、炒飯が入ったお皿を炬燵の上におく。

「なんで海さん、私がお腹空いてることを……」
「メールの内容みたらなんとなく。それに僕、ゆあのことす……」

す?酢?

「はい?」
「なんでもない!!ゆあ鈍感!!」

海さんがちょっと焦り気味に言う。

鈍感って、私が……!? 私が鈍感なわけないよ!

でも、そうなのかなぁ。去年の今頃も鈍感とか友達に言われてた気がするんだけど……。

「とりあえず、ご飯作ってきたから食べなよ?」
「はーい」

お皿返すのはいつでもいいから、とだけ言って海さんはそそくさと家に帰っていった。

さっきの酢って一体なんだったのだろう。

ご飯を食べてから少し寝て、起きると午後6時。外もすっかり暗くなっている。

仮にも熱があると言って早退してきたわけだから一応熱を測ろうと起き上がる。

その時、体がフラついて倒れそうになった。

「っと、あぶな……」

近くにあった机で体を支え、少しずつ起き上がり隣の部屋に行き熱を測る。

ピピピッ
学校と同じものを家で使っているので音が同じ。

でも、昼間より熱は上がっていて……。

「39度って何事」

思わず口に出していた。
確かに視界がちょっとぼやけている気がするし、さっきは体がふらついたし……。
これぐらいあってもおかしくないって言えばおかしくはない。

でも、こんな高熱……いつぶりだろう。

しかも、昼間より食欲まったくない。
食欲がないとなるとさすがに親にもバレる。

でも、内緒には出来ないし。
自分の体の弱さにイラつく。特に何かあったわけでもないのにこんな熱を出すって……。

「私ご飯いらないからー」

一階のキッチンにいる親に呼びかけると、そのまま自分の部屋に戻り布団にもぐったのだった。
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