冬恋。

公認カップル?


時はどんどん過ぎていき、本格的に秋になった頃。

「都賀~」
「佐倉、どした?」

佐倉ですか……。
そう、最近の悩み。都賀は私のこと名前で呼んでくれませんっ!!
海さんに相談したら『自然に名前呼びになるって、大丈夫大丈夫』だったし……。
いや、私も都賀って苗字呼びだしな……。あ、秋人なんて恥ずかしくて呼べない……!

「しつれーしまっす、ゆあいるー?」

ドア付近で千尋の声がする。
わざわざ別教室から来たのか……。

「千尋じゃん、どした?」

私の席はドアから近い位置にあるので椅子に座ったまま千尋に話しかける。

「あれ、ゆあ。都賀くんと席近……」
「うるっさいっ!!」
「照れるなって」

……照れてねぇよ。ただみんなに隠すのに必死なのです。

「彼氏と席が近くなんていいね」

ほんと、どこの学園ラブコメだよ。っておい。

千尋の声が少し大きかったせいか周りのみんなが気づき始める。

「あれー、みんな知らないの?都賀くんとゆあちゃんが付き合ってるって」

そこに七海ちゃんがやってきて言う。
ああ、終わった。

「ゆあちゃんて、都賀くんと付き合ってるんだ」
「へぇ」

周りのみんなが騒ぎ始める。
どう言い訳しようか考えていると七海ちゃんが

「みんな知らないんだ……っけ。都賀くんのこと」

と悪気なく言う。
───もう言い訳は出来ない。

それから一日、みんなから質問攻めにされた。
どっちから告白したの?いつから好きだったの?
こんな感じの質問はまだいい方だ。

キスした?
まだいい方。
都賀くんって、セックス上手い?
……仮にも純粋な私に何を聞く。私はそんなこと興味ないし!
する気すらないし!
と、色々と突っ込みしたくなるような質問をされたり。

はぁ、明日も騒がしくなりそう。
ベットに横になりながら考える。

~♪

メール?……いや違う。電話だ。

「もしもし」
「よっ」

あ、都賀……?この低くて癖のある声……。

「都賀、どうして?」

都賀は携帯を持ってないからきっと家の電話から電話してきたのだろう。
というかいつもそうだし。

「どうして……ってそりゃ、お前が元気なかったから電話した」
「うん……、今日みんなにバレちゃったから……」

都賀、こうやってみんなに質問攻めされるの嫌いだしね……。

「だよな。まぁバレたものは仕方ない。みんなにバレたからって関係は変わらない」

その一言で、千尋が少し軽くなった気がした。
ありがとう……。

「誰が何と言おうと、俺はお前のこと好きだから。」
「都賀っ、ありがと!」
「おう。あ、そうだ。明後日予定あるか?」

明後日……、特に何もないよね。

「ないよ」
「じゃ、二人で会おう?」
「うん!」

そういって電話を切る。
5分も話していなかったけど、すごく嬉しかったよ。

そして、都賀と会う約束の日。
学校が終わると、私の家に来た。

「こんちわー」
「いらっしゃい。ま、上りなよ」

大抵会う場所は私の部屋。
部屋に男女二人って、やっぱり危険なのかな……?

「ね?」
「何?」

子犬みたいな無邪気な顔でこっちを見てくる。
……子犬なのだろうか。

「そろそろ、いい?」
「いいって……何がさ」

ベットに座りながら聞いてくる。
私の部屋は、ベットがソファの代わりになってる。

「キスだけど」

キス……?って魚の?って、冗談はおいて。
さすがに私も鈍感じゃありませんし。

「だめ?」
「いやその……ダメじゃないけど、恥ずかしい」

誰も見てないけど、恥ずかしいものは恥ずかしいんです。

そんな時、私の頬に何かがあたった。

「頬キスゲット」

え……え……。はいぃぃぃ!?
都賀に頬チューされた……。
頬なのにめっちゃ恥ずかしいよ……。

「怒ってる?ごめんね」

キスした後にごめんねとか言われても困るんですけど───!?

「いいよ、過ぎたことだし」

まともに都賀の顔が見れない。

「いいの?じゃあ押し倒して……」
「それはだめ」
「即答かよ」

この変態都賀……!!私、なんでこんなヤツを彼氏にしたんだよーっ!

それから数週間が過ぎた頃、都賀の様子がおかしい。
いや、おかしいというか私に対しての態度が変わった。
私に頬キスしてから態度変わるとか何事。
最初は普通に話してくれたのに、最近ときたら学校では全く話さなくなった。

その分、二人で遊ぶときは普通に話してくれるんだけどね……。
やっぱり恥ずかしいのかな、でもこの前電話で言ってくれたし……。

ああ、もう何なのだろう。

「へぇ~、俺もそれ好き」
「都賀くんもー!?意外」

都賀が他の女の子と話している。
いやでもこっちまで聞こえてくる。……都賀、私とは話してくれないのに。

でも、ここで別れたりなんて嫌なんだよね。
なんだか自分の気持ちがわからないや……。

「ゆあ、今日顔色悪くない?」

落ち込みながら席に座っていると七海ちゃんが話しかけてくる。

「ほんとだ、ゆあ保健室行く?」

と、他の友達と話していた菜帆まで私に話しかける。
とは言っても、菜帆の席は私の後ろなんだけどね……。

「顔色悪い?」

私がそう聞くと二人して「うん」と言う。
顔色悪いのかな、ただ落ち込んでいるだけなんだけど。

「まぁ、大丈夫だと思うんだけどね」
「ゆあ、その考えがいけないの!!」

いけないって、何で……。

「どしてさ」
「それで倒れたりしたらみんなに迷惑かかるんだよ!」

迷惑か……。
でも、保健室行っても治るもんじゃないものなんだと思う。

「倒れないよ……」
「だーめ。ゆあ保健室行くよ!」
「うん、ほらゆあちゃん行こう?」

菜帆と七海ちゃんに腕をひっぱられ、半ば強制で保健室へ連れて行かれ、熱まで測らされた。
熱なんてあるはずないのに。

ピピピッと体温が測り終わった音がする。
───37.2度

微熱か、とだけ思い元の場所に体温計を戻す。

「熱あった?」

千尋配そうに聞く菜帆。

「んー、微熱があっただけ」
「何度?」
「37度」

だめじゃん、と七海ちゃん。

「ゆあ、保健室にいる?」

保健室にいて、治るなら保健室にいたいけど……。
熱、下がるのかな。
微熱って言っても、平熱に近いわけだし簡単には下がらないんだよね。

でも、体のだるさがあるのは何故だろう。

「保健室にいて熱下がるかな……」

出来れば教室に戻りたいのが本音。

「熱はすぐ下がるわけじゃないから早退にする?佐倉さん」

パソコンをカタカタ叩きながら保健室の先生がそう言う。

「ゆあ、早退にしなよー」

えぇ、早退なんて大げさな……。
でも、今日そんなに大切な授業があるわけじゃないから早退しようかな。
ただちょっとサボりたい気持ちがあるのは内緒。

「じゃあ早退しようかな……」
「佐倉さん早退ね、準備してきな」
「はい……」

保健室を出て、教室に戻り教科書を鞄に入れる。
もう授業中だからちょっとだけ目立つ……。

「ゆあ、お大事に」

七海ちゃんは席が後ろのほうだから小さい声で話しかけてくれた。

「佐倉、お大事に~」

……相変わらずでかい声の担任である。

担任の先生のせいでみんなにチラチラ見られながら教室をでるはめになった。
先生恥ずかしいからやめてください……。

「何しよう……」

学校まで親に迎えにきてはもらったが、仕事が残ってるから。と言って
また仕事場に戻っていった。

家には誰もいない、お昼ご飯もない。

「自分でお昼作らないといけないか……」

ベットに横になりながら呟く。

都賀、今ごろ何してるのかな……って授業だけど。
休み時間とか女子の話してるのかな。

急にさびしくなって、涙が出てくる。

「都賀……」

都賀、他の女子とあんなに楽しそうに話さないで……。
すっごく不安なんだよ……。
都賀への思いがどんどん溢れてくる。

~♪

そんな時、携帯が鳴る。

メール……?

机の上にあった携帯を手にとる。
中を開くとサイトからのメールだった。

「なんだ……」

なんだってなんだよ自分……。
友達からのメールなんてくるはずないじゃん。

でも、誰かメールできる人いないかな……。
いるわけないって分かっていても電話帳を見ていく。

"海さん"

海さん……、か。
いやいや、海さんも今学校だって……。高校生だし。

携帯をとじて布団にもぐる。
しかし、目はぱっちり開いていて寝れそうにない。

目を閉じると都賀のこと考えちゃうし、何しよう。
携帯でもいじろうかな。

体を起こし、携帯を手に取る。
携帯を開くと受信中の文字か出る。

受信中……?
きっとまたサイトからのお知らせメールかなと思いメールを開く。
でも、そのメールはサイトからではなく海さんからだった。

件名:無題
本文:
今学校だよね……。
朝、ゆあを見かけた時体調悪そうだったから気になってメールしたけど……。

---END---
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