天国島
そうだよ・・

天使は羽を開いて・・

バタ・バタ・バタ

でも、上手く飛べねぇんだ・・地面から足を離すまで3分

その間も、前や後ろから誰か来ねぇかビクついてよ

で、やっと地面から30cmくらい浮き上がれても

右にフラフラ・・左にフラフラ・・

あぁ・・?

何で上手く飛べねぇかって?

そりゃ、飛んだ事がネェからよ!

まぁ、赤ちゃんの時は事由に飛んでたんだけどよ

何時から飛ばなくなったかって?

さぁ、なぁ・・・

モノゴコロってヤツがついてからじゃねぇか・・

他人と違うのぁ・・イヤだかんなぁ・・



まぁ、右にフラフラ・・左にフラフラ・・しながらもよ

ようやく、門を越えられる高さまで浮かんだんだな・・

したらよぉ

世界が広いんだ、2~3メートル上から見下ろす世界が

妙に広~く感じたってよ

そんで、天使はウキウキしちゃって

いつも気になってた・いつも門で閉ざされてた道に飛んで行ったんだ

道はよ、誰も使って無ぇハズなのに綺麗に整備されてて

やっぱり、白くてよ・・

天使が、ようやく自由に飛べるように・・感覚を掴んだ頃に・・

変な建物が見えたんだとよ

森の中にポッカリ浮かんだ様に・・変な建物が・・

やっぱり、白かったんだけど

屋根に変な・・でっかい皿みてぇなモンが付いててよ

まぁ、パラボナ・アンテナってヤツだな

で、その建物の周りには

変な黒い棒みたいな物を持った人間が、いっぱい立ってんだ・・

やっぱり、そいつ等の服も白くて・・

でも、みんな天使が見た事も無ぇような目つきをしてるんだ

天使は本能なのかねぇ・・「天使」でも本能あんのかねぇ?

とにかく、そっから飛んで離れて森の中に着地したんだ・・

もう、天使はハラハラだよ

「見られなかったかな・・飛んでるとこ・・」

ビクビクしながら森の中を歩いて・・
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