年下の彼氏
あたしも片思いがしたい。
コロコロ変わる恋じゃなくて
もっと切なくて苦しくて
でもとても幸せな恋。
あたしの頭の中の
惚れるサイン(通称 ピコーン)は
もう鳴らない。
鳴らなくなったことはいいことだし
菜月も嬉しかった。
惚れっぽさを直せてよかった、
素直にそう思った。
だけど…。
ずっと鳴らないことは
菜月にとって怖かった。
もう恋が出来なくなったのかもしれない。
オレンジ色だったその花は
いつしか月の光に照らされていた。
「帰らなきゃ。」
戸締まりを確認して
あたしは図書館を後にした。