年下の彼氏

「まさか……。」


あたしたちは顔を見合わせて二人でその相合い傘カップルに向かって猛ダッシュ。


「もももも、桃子!?」

「たたたた、拓哉!?」

相合い傘カップルの傘の下に潜り込み覗くと案の定それは二人だった。


「あっれー!?菜月じゃん。遅かったね。こっちはもう大成功よ!」

桃子はあたしの顔の前でピースをした。

そしてあたしは相手の拓哉という人にぺこっとお辞儀をした。

拓哉も桃子の友達だと知り、よろしくと言った。

「おいっ!何が一世一代だよ!オレには関係ねぇだろーが。」

ぽかっと拓哉の頭を殴ったのは孝之くんだった。


「おっ!孝之。見たかオレの一世一代の賭けを!」

「見てねーよ。なんなんだよ。」

髪をぐしゃっとさせて投げた傘をあたしの分まで取りに行った。

「おまえも何やってんだよー。」

にやにやしながらあたしたちの方を相合い傘カップルはこっちを見た。



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