重力地獄の決闘
3 クルーガー

ヴァルカン大平原・イーガーコックピット

 FSIのエネルギー供給パイプラインは、G・256エリアの重子炉から真っ直ぐ北のヴァルカン大平原を縦断していた。

 大平原といっても、草原が続いているわけではなく、トロンⅡBの代表的な植物である砂苔によって覆われている緑の砂漠地帯である。

 トロンⅡBはもともと、海というものがない、海の代わりに広大な砂漠地帯があった。

 水は砂漠の中層から下に砂に染み込む形で存在していた。

 Gエリアのような居住区のある大陸は砂漠の下から続く堅い岩盤の頂上にあたる。

 通常の陸海比にあたる陸砂比は約4対6。

 その6の内の4が砂苔による緑の砂漠、つまり大平原で、低高度での飛行禁止区域に指定されている。
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