重力地獄の決闘

FSIエネルギーパイプライン

 作業は意外と早く終わった。

 作業の大半はパイプラインまでの掘削に費やされた。高重力下で堆積した砂は、高分子コンクリート並に硬かった。

 しかも、掘削を丁寧に行わないといつ歪重子が再発生するかもしれない。パイプラインが停止していても周囲の空間に蓄積されたストレスによる歪みが、掘削の衝撃で破綻し、歪重子を発生させる危険があるのだ。

 慣性制御系の一部を使い、ストレスを分散させながら掘り進んだ。

 現れたパイプラインの一部は、外見上問題はなかったが、蓄積された歪重子によって構造が脆くなっていた。

 マックは脆くなった外殻を取り除き、内部の重子加速器の補修を行った。

 補修作業が終了し、新しい外殻を圧着した頃には、すでに基準歴で2時間が過ぎていた。

 最後に剥き出しのパイプラインを元通りに埋めると、マックは、光学通信回線を開いて、重子炉管理センターで待機しているFSIの担当者を呼びだした。
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