時計の針

「ごめん!!」

私のとっさに出て来た言葉。


「何が?俺、謝られる事されてないケド…」


「大翔は、もう私の事…」

「好きじゃない。」

当たり前だよね。


「バイバイ、大翔。今までありがとう」


バイバイ大翔。



大翔の気持ちを聞けただけで充分だよ。


私は、大翔から離れて歩き始めた。







「行くなよ…雛乃…」


えっ!?


小さくて聞こえにくかったけど…大翔の声だよね?


私は、大翔を見た。


大翔は、ベンチに座って居る。


「行くなよ…雛乃…」


雛乃って、呼んでるよね?
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