好きだと言って。
高校生活の始まり
「うーーぅん!!いい天気っ!!」
あたし井上美優さんは、今日やっとの高校生活のスタートである!!
「やばぃょ、うっきうき!!」
昨日だって楽しみすぎて一睡もできなかった。
なんたって、この学校大好き人間のあたしだもんッッ!!
この日をどれほど待ち望んだことか!!
この木下高校の入学式を!!
もちろん、中学も最高だったょ。
おもしろくバカやれる友達がいてー♪
ハゲだけど頼れる先生がいてー♪
かわいい後輩がいてー♪
アコガレの先輩がいてー♪
それで毎日楽しかった!!
きっと高校はもっとすごいに違いないっ!!
あたしはもうルンルン気分で、門をくぐった。
そしたら、何でかわかんない。
ズッデーーーンッッッ!!!
ずっこけた。
……わかったのはこの後。
足元にはコーヒーの缶。
……バカだろあたしーーッッ!!!!
周りににはみんながいて
くすくす笑ってる。
そりゃそうだ。
こんな門くぐってすぐの校舎への道の真ん中で、派手にずっころんでる人がいるんだから。こ~こ~に。
そしてあたしの運も最悪だ。
コーヒーが少し残ってたのか、真っ白い新品のブラウスには、茶色染み。
もぅ、運の悪さはどうにもならない。
入学当初から終わった…。
「缶コーヒーのばかぁぁぁぁぁ!!」