Black loves 〜最強総長の彼女〜
「あたしにはどうすればいいかなんてわかんねぇ」
それは当たり前だと思った。
美葉が大人びてても
結局は今、年齢は変わらないし
何ヶ月かの差しかない
美葉も同じガキなんだから。
「俺も」
春斗は野球ボールを壁にぶつけて跳ね返るボールをまたぶつけて遊んでいた。
これは考え事をするときの春斗のくせ。
「沙菜は?」
春斗な本当の意味での沈黙を破った。
その一言はぽつりと現れ空気と一体した。
「沙菜と付き合ってんじゃん、おめぇ」
荒々しい雰囲気もなく
かといって優い訳もなく
いつも笑って、喧嘩して騒ぐ場所で
今日は冷戦状態だった。