キミに捧げる恋のうた
ほんとは行かせたくない。


行かせたらリリちゃんに浪を
とられてしまう気が怖い。



とられたら本当に
浪との距離が遠くなる。


そんなのは嫌だから。





「まるで俺がどっか遠くへ行くみたいな言い草だな。戻るよ、必ず。俺の家はここだからな」



そう言って浪は、あたしの頭をわしゃわしゃと撫でる。



いつにもまして浪が優しくなった気がした。


いつも憎まれ口をたたいてあたしをからかうくせに、

こんなのずるいよ。



何も言い返せないじゃん。

浪のバカ。










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