光の子



「私の中では、サッカーは豊かな人がやるメージだったな」



「最低限、ボール一個あればサッカーはできるからね。
ブラジルもアルゼンチンも貧富の差がすごいんだけどさ。
どんな家庭の子も、サッカーへの愛や必死さは、同じ気がしたんだ。
スラムの子たちがキラっキラした目でプレーしてたのが、やっぱ一番強烈だった」



カルチャーショック、ってやつ。
そう矢楚がつぶやいたとき。


広香が矢楚の手の中からすっと自分の右手をひきぬいて、矢楚の眉の上の傷にかすかに触れた。




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