駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
「ひっ、ひとまず話を聞いて下さいっ!!」
そう言うのでとりあえずは話だけでも聞いてやろう。
「実は動画サイトでこんなのを見つけたんです。」
安田が操作し、俺と桐谷は画面に視線をやった。
どこかの工場だろうか……
そう思っていると画面に人影が見えた。
「何コイツ~?」
桐谷が言う。
画面に出てきた人影は画面に近づき顔を映す。
だがその顔は覆面で覆われているため素顔は解らない
ソイツは画面から離れ、どこかに消えた。
数秒経つと、またソイツが画面に現れた。
なんか手に……
「な……!!」
くわえていた煙草が床に落ちた。
幸いに火は点けていなかった。
「どういう事だ…!!」
画面に映ったソイツが手に掴んでいたのは、
長い黒髪、
そして引きずられながら姿を現した彼女
「夏梨名ちゃんー‥」
間違いない、彼女だ。だが何故、彼女が……?
「神田!どういう事だよこれ!!」
「俺にもわかんないよ!!偶然見つけたんだから!!」
桐谷と神田が後ろで言い合う。
彼女の着ている洋服
俺と会って別れた時のままだ。
俺は急いで夏梨名ちゃんの携帯に連絡をした。
「月詠ちゃん、出ました!?」
『お掛けになった番号はー‥』
「クソッ……!!」
携帯を切って俺は走り出した。
「先輩っ!ドコ行くんスか!?」
「家に行ってみる!神田はその動画を載せたパソの発信源を調べろ!桐谷は鑑識に行って動画に映ってる景色をドコか照らし合わせろ!!」
一通り指揮を出し、俺は警視庁を飛び出し、車を走らせた。