短編■ ピアスを外して、声で飾って
…‥
夜空に光る星。
暗闇で輝く瞳。
その夜、いつものように電話をした。
もうすぐ寝るので、ベッドに転んだまま長電話をした。
面白いTVの話ばかりしていた。笑ってばかりだった。
明かりを消した部屋に一人で居ても怖くないのに、彼と二人で居た時の方が怖かった。
液晶画面から漏れる明かりが輪郭をうっすらと教えてくれる。
どこかくすぐったい部分に気付かないふりをして笑った。
おやすみと言う彼におやすみと言った。
そういえば、言い忘れて眠ってしまっていたのかもしれない。
夢うつつで詳しくは覚えていないけれど。