シュガースパイスな君
大地はあたしの涙に触った途端に、不自然に顔を歪め、脱力して、死んだように動かなくなってしまって、心配で一瞬焦ったけど、名前を呼んだら握ったその手が微かに握り返してくれたから、大地の柔らかい黒に近い自然な焦げ茶の髪を撫でながら、大地の名前を呼んでいた―――――……


【大地Side】

目が覚めると、ベッドの中、琥珀を抱き締めていた。
琥珀も、おれの腕の中で、優しい顔をして眠っている。

お前…可愛すぎるだろ……。

と、髪を撫でていると

「…ん……だい……ち…?」

「…おう……。起こしたか…?悪りぃ。」

「…ううん。だいじょ…ぶ…。」

「眠いか…?寝ててもいいよ?昼飯ならおれが作るし……。」

「……平気…。」
と言って起き上がろうとする琥珀を手で制し
「お前には面倒かけてるだろ。礼くらいさせてくれ。」

「…大丈夫だよ。いつもやってるんだから!ねっ?」

すげぇ可愛い笑顔で言う琥珀は少し頼りない。

「いいんだよ。おれが作りたいんだ。そういう事にしといてくれ。な?」

「……うん。じゃあ、お願い。」


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