オレンジ色の校舎
一歩も動かずに、あたしに背を向けたままの一馬くん。
「……遥は親父の元気な姿を見たよな?」
「う…うん。あの時は倒れたのが嘘みたいで…」
何?トシさんに何かあったの?わけがわからず、一馬くんの背中に抱きついた。
「……親父が倒れて、病院に運ばれた。今、意識不明の重体で…」
だけど指先に感じたのは、一馬くんの冷たい滴だった。
あたしはさらに一馬くんを抱きしめる力を強めた。一馬くんが崩れないように、これ以上震えないように、と。
「……一馬くん、とりあえず一緒に病院に行こう」
「けど、お前はラブリーに…」
「こんな状態の一馬くんを放っておけるわけないでしょ!?だからラブリーには行かないよ」
「…朱希も行…」
「あのね、今は一馬くんが大事なの!だから早くトシさんの元に行くよっ」
そして病院へ向かうことにし、麻衣達に『用事がある』と伝えた。一馬くんといるなんて、変な想像をしてると思うけど。