オレンジ色の校舎





「ではこのコは?」



「一馬の…ガールフレンドの遥ちゃん、です」



「おぉ、そうだったんですね、一馬くん」



「……診察を続けてください」



ちょっぴり赤くなりながら目を逸らした一馬くん。いつもの一馬くんだ。



「はい、記憶障害や脳への刺激は無さそうですね。顔色も良くなっているので、丸6日間の睡眠が効いたんでしょうね」



「ご、6日間?」



「はい、浅井さんは6日間ずっと眠られていましたよ。その間、一馬くんや遥さん、他多数の友人が支えてくださっていましたよ」



ちょっと…余計なことは話さないでくださいよ、先生。



「………そう、だったのか。ありがとう」



それでも、世界で何よりも温かい言葉が聞けて本当によかった。



「意識も戻り、体調も良さそうですね。明日検査を受けましょう。結果次第で自宅に帰れますよ」



嬉しそうに目を細めたトシさん。医師はまた来ますから、とカルテを見ながら退室した。



「ったく、毎日頑張りすぎだからこうなったんだよ」






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