オレンジ色の校舎
「そ、んなこと考えないでよ。トシさんを信じようよ…」
「それでも不安なんだ。もうあの家に2人で暮らせないかもって。親父…親父ぃ…」
学校で涙を流した一馬くんとは違う。抑えきれない涙をありのままに流していて…
ずっと傍で、支えていきたいと思った。
「一馬くん大丈夫だよ。あたしが傍にいるから、ね?」
「は、るか…」
震える一馬くんの肩を優しく撫でた。辛かったね、泣きたかったよね。
「か……ずま」
息が止まった。一馬くんでもあたしでもない声が聞こえた。トシさんを見ると、ゆっくりと目を開けてあたし達を見た。
「お、親父っ」
「トシさん!」
トシさんが…トシさんが目を覚ました。嬉しくて言葉が出てこなくて、胸がいっぱいになった。
急いでナースコールを押して、医師と看護師を呼んだ。
「はい、浅井さーん、このコは誰だかわかります?」
「か…ずま、です」