オレンジ色の校舎





「そ、んなこと考えないでよ。トシさんを信じようよ…」



「それでも不安なんだ。もうあの家に2人で暮らせないかもって。親父…親父ぃ…」



学校で涙を流した一馬くんとは違う。抑えきれない涙をありのままに流していて…



ずっと傍で、支えていきたいと思った。



「一馬くん大丈夫だよ。あたしが傍にいるから、ね?」



「は、るか…」



震える一馬くんの肩を優しく撫でた。辛かったね、泣きたかったよね。




「か……ずま」




息が止まった。一馬くんでもあたしでもない声が聞こえた。トシさんを見ると、ゆっくりと目を開けてあたし達を見た。



「お、親父っ」



「トシさん!」



トシさんが…トシさんが目を覚ました。嬉しくて言葉が出てこなくて、胸がいっぱいになった。



急いでナースコールを押して、医師と看護師を呼んだ。



「はい、浅井さーん、このコは誰だかわかります?」



「か…ずま、です」






< 529 / 574 >

この作品をシェア

pagetop