風に揺蕩う物語
途端に傍で見ていたヒューゴやシャロンはもちろん、他の来賓の貴族の方々も、セレスティアとヴェルハルトを頭を下げながら出迎える。
ヴェルハルトがその様子を見て手で制すと、ヒューゴ達は頭を上げ、今度は城門の方に視線を送る。ここまでは形式的な儀式みたいなもので、恒例行事だ。
城門の前ではすでに用意を済ませていたのだろう、騎士が整列している間を、グレイス共和国の国旗を携えた兵が先頭を二人で行進し、その後ろからはヒクサクと従者が10人ほど付いてくる。
そして最後尾から付いてくるのが、百鬼騎士であるセヴィル将軍と、その部隊の精鋭6人ほどが歩いてくる。他にもたくさんの兵がこのファルロースまでの距離をヒクサクと共に来ていたのだが、全員がわざわざエストール王宮に来る必要がないので、ファルロースの王国軍の施設で待機という名目で観光を楽しんでいる。
先頭でグレイス共和国の国旗を持っていた兵がセレスティアとヴェルハルトの前まで来ると、規律ある動きで道を開け、間からヒクサクが二人の前で立ち止まる。
ヒクサク様は随分と外見が変わられたな。
僕は最初にその様に感じた。綺麗な甲冑を着込み、腰には宝剣を携えた格好をしているヒクサク。だが3年前に会った時よりもなんかこう…。
昔に比べて大きくなられた…。
短く刈りあげた黒髪の頭は良く似合っているし、綺麗に揃えられた口髭も今のヒクサク様の体型を考えると良く似合っている。だが昔とはまるで印象が違う。
昔は髪の毛もそれなりの長さがあり、痩せ型な体型をしていたのに今では、貫禄が出た感じだ。
「ヴェルハルト殿。この度はグレイス共和国との友好の為に、この様な機会を用意して頂き感謝申し上げる」
「こちらこそ遠路からわざわざお越し頂き申し訳ない。大した歓迎も出来ないかもしれないが、楽しんで頂きたく思う所存である」
ヒクサクは最初にヴェルハルトに話しかけていた。
ヴェルハルト様は昔とお変わりがない。不機嫌そうな表情と鋭い蒼眼を携えたそのお姿は、初めて見る者を委縮させる御顔立ちをしている。
「あの御方がヒクサク様ですか。厳格そうなお方ですね…」
それなりに離れた位置で様子を見ていたヒューゴとシャロン。そんな時、ヒューゴの隣で様子を見ていたシャロンが、控え目にヒューゴに話しかける。
ヴェルハルトがその様子を見て手で制すと、ヒューゴ達は頭を上げ、今度は城門の方に視線を送る。ここまでは形式的な儀式みたいなもので、恒例行事だ。
城門の前ではすでに用意を済ませていたのだろう、騎士が整列している間を、グレイス共和国の国旗を携えた兵が先頭を二人で行進し、その後ろからはヒクサクと従者が10人ほど付いてくる。
そして最後尾から付いてくるのが、百鬼騎士であるセヴィル将軍と、その部隊の精鋭6人ほどが歩いてくる。他にもたくさんの兵がこのファルロースまでの距離をヒクサクと共に来ていたのだが、全員がわざわざエストール王宮に来る必要がないので、ファルロースの王国軍の施設で待機という名目で観光を楽しんでいる。
先頭でグレイス共和国の国旗を持っていた兵がセレスティアとヴェルハルトの前まで来ると、規律ある動きで道を開け、間からヒクサクが二人の前で立ち止まる。
ヒクサク様は随分と外見が変わられたな。
僕は最初にその様に感じた。綺麗な甲冑を着込み、腰には宝剣を携えた格好をしているヒクサク。だが3年前に会った時よりもなんかこう…。
昔に比べて大きくなられた…。
短く刈りあげた黒髪の頭は良く似合っているし、綺麗に揃えられた口髭も今のヒクサク様の体型を考えると良く似合っている。だが昔とはまるで印象が違う。
昔は髪の毛もそれなりの長さがあり、痩せ型な体型をしていたのに今では、貫禄が出た感じだ。
「ヴェルハルト殿。この度はグレイス共和国との友好の為に、この様な機会を用意して頂き感謝申し上げる」
「こちらこそ遠路からわざわざお越し頂き申し訳ない。大した歓迎も出来ないかもしれないが、楽しんで頂きたく思う所存である」
ヒクサクは最初にヴェルハルトに話しかけていた。
ヴェルハルト様は昔とお変わりがない。不機嫌そうな表情と鋭い蒼眼を携えたそのお姿は、初めて見る者を委縮させる御顔立ちをしている。
「あの御方がヒクサク様ですか。厳格そうなお方ですね…」
それなりに離れた位置で様子を見ていたヒューゴとシャロン。そんな時、ヒューゴの隣で様子を見ていたシャロンが、控え目にヒューゴに話しかける。