風に揺蕩う物語
今現在は、王族騎士に所属しており、エストール王国第一王女であるセレスティア・エストールの身辺警護の任に就いている。
そしてヒューゴはというと…。
「リオナスには気苦労をかけているからね。僕が名ばかりの騎馬隊長補佐をしているからさ…」
ヒューゴの軍籍は騎馬隊長補佐。実際はリオナスがセレスティアの警護の任期を満了し、騎馬隊長に任命されるまでの時間稼ぎの役職だ。
とある理由からヒューゴは軍に居ながらも軍を率いる訳にはいかなくなった。
「それは…」
「良いんだシャロン。僕には騎馬隊長の任は重すぎるよ。それにこの仕事にも満足しているんだ。町医者も良いもんだよ」
そうシャロンに笑いかけるヒューゴ。シャロンはそんなヒューゴの姿を見て、少し表情を和らげる。
「そうですね。ヒューゴ様は昌霊術をお使い出来ますから、ファルロースの国民も安心してヒューゴ様に見てもらえましょう」
昌霊術とは、このリヴァナリスを形成したと言われる光の力を媒体にした目に見えない術の事を言い、エストール王国の歴史の中でも数人しか使えた者はいないと言われている。
その不可思議な力は、天候を操る事も出来れば、傷を癒す事も出来ると言われている。
「ですがヒューゴ様…分かってはいらっしゃるとは思いますが、昌霊術の事は私以外には内密にお願いしますよ」
「それも分かっているよ。シャロンは心配症なんだからさ。流石にこの力の事は誰にも話せないよ…」
シャロンが危惧しているのは昌霊術の危険性についての事だった。
人と違う能力を持っている者は、どうしても迫害の対象になりやすい。王国図書館の文献でも昌霊術を扱える者は、敵国に暗殺されたり、戦に負けた時の責任を負われたり、国を追われて国外追放になったりとあまり良い扱いはされないのだ。
実のところヒューゴは医療の知識が豊富な訳ではない。日々勉強して知識は得ているものの、実際は昌霊術で治療している。
そしてヒューゴはというと…。
「リオナスには気苦労をかけているからね。僕が名ばかりの騎馬隊長補佐をしているからさ…」
ヒューゴの軍籍は騎馬隊長補佐。実際はリオナスがセレスティアの警護の任期を満了し、騎馬隊長に任命されるまでの時間稼ぎの役職だ。
とある理由からヒューゴは軍に居ながらも軍を率いる訳にはいかなくなった。
「それは…」
「良いんだシャロン。僕には騎馬隊長の任は重すぎるよ。それにこの仕事にも満足しているんだ。町医者も良いもんだよ」
そうシャロンに笑いかけるヒューゴ。シャロンはそんなヒューゴの姿を見て、少し表情を和らげる。
「そうですね。ヒューゴ様は昌霊術をお使い出来ますから、ファルロースの国民も安心してヒューゴ様に見てもらえましょう」
昌霊術とは、このリヴァナリスを形成したと言われる光の力を媒体にした目に見えない術の事を言い、エストール王国の歴史の中でも数人しか使えた者はいないと言われている。
その不可思議な力は、天候を操る事も出来れば、傷を癒す事も出来ると言われている。
「ですがヒューゴ様…分かってはいらっしゃるとは思いますが、昌霊術の事は私以外には内密にお願いしますよ」
「それも分かっているよ。シャロンは心配症なんだからさ。流石にこの力の事は誰にも話せないよ…」
シャロンが危惧しているのは昌霊術の危険性についての事だった。
人と違う能力を持っている者は、どうしても迫害の対象になりやすい。王国図書館の文献でも昌霊術を扱える者は、敵国に暗殺されたり、戦に負けた時の責任を負われたり、国を追われて国外追放になったりとあまり良い扱いはされないのだ。
実のところヒューゴは医療の知識が豊富な訳ではない。日々勉強して知識は得ているものの、実際は昌霊術で治療している。