six bottle

カスター

体の痛みに意識が覚醒する。


体を起こそうとするもクン!と何かに引っ掛かり自由がきかない。


カサカサ!


「!」


回りにたくさんの小さな蜘蛛がうじゃうじゃ気味悪くうごめいている。


巨大な蜘蛛の巣の中にいた。


近づいて来たのは…。大きな巨大蜘蛛。


うじゃうじゃいるやつらとは比べ物にならない。


必死にもがくも魔法薬の瓶を開けようにも自由がきかない。


目の前に金色…。片目の瞳…。巨大な蜘蛛。牙が見えた。


もうダメ!



と思った瞬間…。黒い炎が見えた。


「馬?…。」


「レイ!!」


叫ぶ黒い影…。


「フェンネル?」


麒麟のレイが燃えるたてがみと炎を吹き、小さな蜘蛛を蹴散らした。



片目の巨大な蜘蛛はさらに糸を巻き付け、巣の奥に引っ張って行く。


必死に暴れてもがいたら蜘蛛に当たる。


長い髪に服の裾がよぎる…。

シャラン…と耳飾りの綺麗な音色が聞こえた。


「そう…。カスターは優しいのね。」


母さん?…。
あれはやっぱり母さん。

< 20 / 45 >

この作品をシェア

pagetop