執事と共に謎解きを。
「それで、シラヤナギさん。これは一体何の集まりなんですの」


前菜を口にしつつ、レミコが問う。


「実は、皆様にご報告したいことがあるんです」


シラヤナギが、穏やかな顔で言う。




「《Dレポート》が消え去ったのです」




場の空気が止まった。

恵理夜や春樹でさえも、あまりの衝撃に動けないでいた。


「……ど、どういうことだ。あれは、貴方が管理していたはずだっ」


沈黙を破ったのはイチジョウだった。


「そう。私が、管理しておりました。けれど、消えました」

「無くしたとでもいうのか」


ヤマザキが怒鳴る。


「いいえそれはございません。私の部屋から持ち出すことはありませんから。けれど、なくなったのです」
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