執事と共に謎解きを。
「レミコ、お前だって疑われておるのだぞ。金に困っておるのは誰だ。あの1冊は莫大な富にも変えられる」

「貴方も資金繰りがうまくいかない、という噂を耳にいたしましたよ。ヤマザキ先生」

「イ、イチジョウ先生こそ、あのレポートはお主にとって汚点のはずじゃ」


お互いのにらみ合いが始まった。

感情や思念の渦巻きが激しくて、恵理夜の勘が及ばない。

しかし、皆同じ焦燥感を抱き、一つの方向へ向いていることに気づいた。


「自ら名乗り出て、レポートを返していただければなかったことにいたしましょう」

 
シラヤナギは立ち上がった。



「後日、また夕食会を開きます。続きは、その時に」



それでは、と彼は立ち去った。
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