執事と共に謎解きを。


――放課後の掃除当番。



「恵理夜さん。今日は、ホウキがけをお願い」

「ええ、任せて」


クラスメイトから手渡されるホウキを笑顔で受け取る。


恵理夜――それが彼女の名前だった。


腰に届く漆黒の髪。

前髪は日本人形のように綺麗に切りそろえられている。

肌は陶磁器のように白く、形の良い眉に、鮮血色の唇。

そして黒目がちの大きな眼は、夜空を塗り固めたような色をたたえていた。



多くの生徒が遊んでいる中、彼女は淡々とホウキを動かす。
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