ある17歳における不明瞭な愛についての考察
でも、俺は。
「…勝ってもいーんだな」
もとより負ける気なんか、更々無いんだけど。
俺は自転車をおりて、千往の斜め後ろを歩いた。それでも千往との距離を一定に保てるくらいだ。
もう勝負はついているようなもんだった。
それでも、千往は相変わらず返事をしないまま肩で息をしている。
だから俺も、千往が落ち着くまで声をかけずに歩いた。
「……ユウトくん、」
しばらくして、まるで出会った頃みたいに千往が言う。
「なんだよ」
俺は返して歩く。
背中、脚、揺れる髪。
───俺の気も知らないで。