ある17歳における不明瞭な愛についての考察
俺と千往の間の1メートルが堪らなく愛しいと感じていること。
千往が誰かに向ける笑顔が俺には苦しいこと。
この感情の名前は何?
俺は知ってる。
気付いてる。
「ありとくん」
涼しげで、やわらかな声音。
振り返る横顔。長いまつげ。たれ目がちな目もと。
千往の全て。
ばかみたいだとは自覚してる。不毛で、建設的ではないこともわかる。
俺にとって、千往は特別だ。
「ありとっ…、」
耐え切れず弾けたように聞こえる俺を呼ぶ声。
身体ごと振り返った千往の姿。
………千往は、ふるえていた。