ある17歳における不明瞭な愛についての考察
「前はこんなこと、思ってなかったのに…!
ありとが好きになってくれたあたしと、
最近のちゆきは変わったとか…なんか違う、とか、ありとが思ったらって」
飽和した言葉は形になって、遂に投げ出されてしまった。
有斗は驚いた顔であたしを見ると、つないだままのあたしの手をぐっと握る。
「嫌われちゃったらどうしようって」
──怖い。
続けようとしたあたしの言葉に、有斗に言葉が重なる。
「…そんなこと、考えてたのか?」
あたしの目下の悩みに、なんてこと言うんだ。
非難めいた目で有斗を見る。