ある17歳における不明瞭な愛についての考察



そしたら有斗は、口元を手で押さえながら不自然にあさっての方向を向いていた。
思わず握られたままの手にぎゅっと力を込めたら、有斗は意を決したようにこっちを見据えて、勢いよく言葉を放った。



「俺はっ」



有斗の顔、真っ赤だ。

そんなことを考えながら有斗を見れば、その視線に気付いたのか、困り顔の頬がまた赤くなった。


振り払うように、有斗は声を絞りだしていく。


「…俺は…俺だって、いつもちゆきのこと探してる!」



まるで、雨の降り始めみたい。


有斗の言葉が降ってきて、あたしに染み込んでくる。


「他の奴といたら心配するし!」


遮れない。止められない。

無理やりに押し込めた気持ちは簡単にこじ開けられて、もう決壊しそうなくらいに溢れて。





「お前のこと、だんだん好きになってるしっ───………」








そんなの、ずるい。




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