ある17歳における不明瞭な愛についての考察
机の上に乗っかった、繋がった手と手。
節ばった指と、丸い爪。
「友達だったときのノリが良いんなら、好きなんて言わねえから!」
有斗はこれでもかと力強く、でも不安そうな顔をして言った。
怒ってるようにも、泣き出しそうにも聞こえた。諭すように優しくも聞こえた。
「なんで、ひとつで考えんの?」
ひとつ?
言葉の意図を掴めずにうつむいたら、世界の音が全部いつもよりも大きく、重たく聞こえた。
そんな空気を、有斗が消し飛ばす。
「俺とちゆき、ふたりだろ!」