ある17歳における不明瞭な愛についての考察





最後に教室の電気を消すと、思ったよりも外が暗くなっていたことに気付かされた。

それでも、まだ薄く残っていた明度が窓から微かに差し込んでいる。生まれたばかりの夜が世界を優しい紺色で染め上げていた。


どこか遠くの方から聞こえる、車のクラクション────




「ちゆき?」

自転車の鍵を人差し指でくるくると回しながら、有斗が不思議そうにあたしを呼んだ。


うん、と返事をして
有斗が待つ廊下へ、教室を後にする。

普段よりも軽いリュックを背負って少し先に待つ有斗を追いかけたら、「そんな走んなくても良いのに」と有斗は微笑んだ。





ぺたぺたと音を立てて進む廊下。
校内履きのスリッパが並んで4つ。無難な同じデザイン、でも大きさの違いが目に付いて、なんだかくすぐったかった。



そうしている間にも少し闇は侵食していたようで、真正面のガラスの向こうには夜が広がっている。

階段を降りて、踊り場。
照明が消された一階。

二階よりもひんやりとした空気が身体を撫でた。



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