ある17歳における不明瞭な愛についての考察
ぱちり。
ガラスの中で、有斗と目が合った。
恥ずかしくなって振り向いたら、奥行きがある有斗も赤い顔であたしを見ていた。
体温が上がる。熱くなる。
叫びだしたいような衝動に、あたしの奥はくすぐったくて、沸き上がって、
どうにもならなくて、いつも。
「…負けた方がいちごオレ、ね!」
そうやって、
はぐらかしてしまう。
柔らかな有斗の黒髪は、しばらく見ない内に少し伸びた。
襟足が添う首筋。
あたしには無い曲線。
笑うときゅっと細くなる目もとに、気にしてみるとやっぱりあたしとは違う肩幅。
挙げればキリが無いくらい、あたしは有斗に溺れてる。