あたしの俺様執事様。
あたしはふと思い出す。
「亮太くんは…もしかしたら大切なものほど記憶を失ってるのかもしれないよ?」
精一杯のフォロー、
この情報は
テレビでも見たことがあるし
友達からそーゆー話しを
聞いたことがあったから…
「それに…前も言ったけど、亮太くんはぜったいに望を大切にしてたよ。あたしや海斗くんに見せる笑顔と望に見せる笑顔は全然ちがかったし、海斗もよく亮太くんの話ししてた。惚気話しばっかだって。」
まるで中学生のような
説得力だし、話してることも
バラバラだけど
真剣に聞いてくれた。
そして望はごろんと
ねっころがる。
あたしも横にねっころがった。
「あたし、強がってたよ…。記憶喪失ってやっぱきついよお…」
望を横目で見ると、
涙がポロポロと流れていた。