「ワタリガラス」
ワタリガラスは、考えてしまいました。
これまで、確かに自分の目の前で不幸があったことは多々ありました。
自分の翼はきっと、他人の幸せを吸い上げて、不幸を降らせているに違いない。そう思ったこともあります。
それに、こんなだったので生きている理由だってありません。
生まれてきたから生きている。それだけでした。いつ死んでしまったって、構わなかったのですから。
「キミは、わたしから離れていかないよね。」
「・・・。」
「好き、だよ。」
「そう。」
何もできない自分。
助けを求めている少女。こんなに苦しいことはありません。
本当に、締め付けられるような思いです。
どうしたらいいんだろう。分からなかったのです。
悲しそうな少女が行ってしまいました。
ワタリガラスは、少女に何かできないかと考えています。
今では、少女だけは信用できたのですから。少女のために何かをしてあげたい。
だから、ずっと、一晩中考えていました。
そして、ありきたりな、それでいて陳腐なアイディアでしたが、一つだけ浮かびました。