「ワタリガラス」
ワタリガラスは、更に涙を零(こぼ)しました。
とめどなく溢れてきました。
少女は、にこにことワタリガラスのことを撫でています。
これ以上この少女と一緒にいると、本当に別れられなくなるかもしれません。
ワタリガラスは、夜。誰もいない公園の上空を飛びました。
翌朝。
誰も、何もいない公園に。少女がパンを持ってやってきました。
嬉しい報告があったのですが。それを告げようと思っていたワタリガラスがいなかったのです。
あちこち捜しましたが、どこにもいませんでした。
少女は、空を見上げます。
そして、笑って。
羽を握って思いました。
言いました。
「また、会えるよね。きっと。」
おしまい。

