「ワタリガラス」


「夕方だ・・・。それじゃ、またね!」

「はいはい。」

「明日は何パンが食べたい?」

「大きいほうを貰うわよ。」

「うん!」


少女は行ってしまいました。どこかへ、消えてしまいます。

走り去っていく後姿があどけなくて可愛らしくて。自分にはないものを持っているように思えて、少しだけ羨(うらや)ましく思うのでした。


夜です。街は明かりがついていて。

しかし、公園の暗い場所にワタリガラスはいました。


明日も、来ると言う。

どうしてなのかが、分からなくて。


そして、分からない事がもう一つ。

自分の、今までにない感情でした。

これは一体何なのだろうか。と。


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