駆け抜けた少女ー二幕ー【完】


「ま、でも私達がしっかりしていれば何の問題もないですよ。 私達がしっかりしていれば…ね、土方さん」

「……ああ…まあな」



枯れ葉が、一つ二つと散る。

それを眺めながら思う、ああもうすぐ冬がやってくる、と。





「今日はお鍋でも食べたいな」



変わっていない景色。

けれど、何かが違って見えた。

目に見えるものではない何かが、少しずつ変化している。


期待に胸を弾ませる者。

不安に頭を悩ませる者。

出口の見えない闇に苦悩する者。



みんな集まってくれるかな…お鍋。



同じ空を見上げ、思うことは皆それぞれ違う。

だがしかし心だけはすれ違わず、いつも共にあれたらと願って止まない。



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