Voice
「社長、こんにちは。」







すると、社長は立ち上がり言った。







「待ってたよ、梓。

話は聞いてるかと思うが、

今日から二週間、お前の仕事ぶりを

このナイトに見学させるんだ。

よろしく頼んだぞ。」






社長は、私の肩をぽんぽん叩いて言った。


すると、梓は、私の方を向き、

満面の笑顔で片手を出し、言った。





「こんにちは。

ナイトって言うんだってな。

俺は梓。

仲良くやろうぜ。

よろしく。」








な、何なの?!

私と初めて会ったときは、

よろしくなんて言わなかったじゃない!!








しかも、この笑顔。

さっきは、あんな、冷たい言い方してきたのに。









…ケッ。

何が仲良くやろうな!だよ!!


私は、仮面の下で睨み付けた。







「…よろしく。」




握手は、絶対嫌だから、

よろしくだけ言ってやった。



声の調子で機嫌が悪いのがわかったのか、

梓は私を変な顔で見ていた。









…ったく、何もわかってないのは、

気楽なもんだよね。






イライラするなぁ…。











…仕方ない。

とにかく、二週間の我慢だ。




耐えろ!自分!






ファイト!ファイト!
< 102 / 369 >

この作品をシェア

pagetop