Voice



その時、

今まで黙っていた梓が、



”バン!!”と、

机を叩いて、叫んだ。










「お前!!!

マジで、フザけるな!!



今日中に出来ないだと?!



だったら、

何でこの仕事引き受けたんだよ!



遊びじゃないんだ!!!!」










これには、私も同感である。








 さっきまで、




「ピアノは得意!まかせて!」




みたいな事言って、

期待させてたのに、

責任感が無さすぎる!






しかも、

梓が本気で怒ってる

って言うのに、





全然わかっていないらしく、

へらへらと笑ってるし。










コイツ、ありえない!










そんな、キャサリーは、

ムカつくほど、

平然と、

ニコニコしながら言った。






「こんな、難しい楽譜、

キャサリーじゃなくったって、



今日中に弾ける人なんて、

いませんよぉ~。




この曲は、

今日一日限りって

訳じゃないですし♪






今日は、弾き真似して、

次から、

しっかり弾くってことで、

いいじゃないですかぁ。




これから、

いっぱい練習して、

弾けるようにしますから♪」












む、ムカッ。












この人、最低!!


それでも、プロな訳?!



今日は、

梓の”生”演奏を

楽しみにして、



たくさんの人が、

待ってるって言うのに!!












あーっ!!




我慢出来ない!!








私が、口を挟もうとすると、

梓が、一瞬先に、怒鳴った。






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