Voice
会場が一心同体になっていた。










…聞こえるのは、私が弾くピアノの音と

遅れて入ってきた梓の声だけだった。







梓は、私の伴奏に合わせるように歌った。











「儚い夢のように、ゆらぐメロディー…。」











梓は、あんなにも働いていたのか、

不思議な位に、笑顔で歌っていた。








そんな梓の顔を見ると、

心の底から、”本当にすごいな”って、

感心するんだけど、









…それ以上に、

”負けてられないな”って思う。









だから、その時、

私も余計に頑張れたと思う。











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