Voice




「それでは、

キャストの方は、

脚本順に、

こちらにお座り下さい。」






一人のスタッフが

そう言った。





私は、

抑えきれない

興奮を胸に、

梓の隣りに座った。




私の斜め前には、

元木哲也さんがいて…。






「おい!

大丈夫か?お前。

さっきから、

ぼーっとしすぎだぞ?


まだ、

緊張してるのか?」





梓が、

耳元で静かに言った。





…はっ!

いけない!





集中しなきゃ!



でも、

こんなことって…。







「それでは、

今から、

クリスマス特別企画

ドラマ『愛しいあなたへ』の

第一回ミーティングを始めます。」




そう言って

立ち上がったのは、

1番偉いプロデューサー兼監督さん。





一人ずつ、

俳優さんやスタッフさんを

紹介してくれた。






そして、

1番最後に

私と梓が紹介された。





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