Voice



「え~…。


そして、

最後に、

今回、主演の若い二人。




皆さんご存知、

梓君と、

初ドラマで

初主演の美紀ちゃんです。」






よ…。



「よろしくお願いします!」




”ゴツン!”




勢いよく立って

頭を下げたら、

机に

思いっきり頭をぶつけた。






い、痛い…。







「美紀?!」






「だ、大丈夫か?」





周りから

笑い声が聞こえた。







…あぁ。

やってしまった。





「す、すみません…。」







すると、

笑っていた

プロデューサー兼監督の

白鳥さんが言った。






「うん。

勢いがあっていいよ!

この調子で

ドラマの方も頑張ってね。



何と言っても、

このドラマの見せ場は、

君と梓君のラブシーンだからね。」






ら、ラブシーン?!







返事をしたか、

しない内に

脚本が手渡された。






そうだ。

私、意気込んでたけど、

内容とか全然知らないじゃん。








どんな話なのかな?







< 290 / 369 >

この作品をシェア

pagetop